高速道路で事故を避ける心得




スピードの価値観

 私が18歳の初心者マークの頃に起こした、高速道路における交通事故を題材にして色々と書いてきました。このあたりで一度、高速道路で交通事故を避けて通る方法をまとめてみましょう。もちろん「制限速度を守り、前車と適正な車間距離をとり・・・」という話は、ここでは社会常識として省略させていただきます。

 高速道路を利用する方の目的は一般的にふたつあると思います。その名の通り高速でクルマを走らせ、目的地に早く到着すること。もうひとつは、一般道と比べたら目的地まで迷子になりにくく、信号や標識が少なくて走り易いことでしょう。
 問題となるのは前者ですね。先を急ぐ目的や、急ぐ際のスピードや快適な速度の個人差など、ドライバー間にかなりの認識差があります。短時間で目的地に着きたい場合には、出来るだけ道路がすいた時間帯を選んで、止まらずに走り続ける事。急がない場合には、交通の状況を適切に判断しながら制限速度以上で走り、休憩時間を長くとればいいのです。
 では交通事故を避ける観点から考えてみましょう。急がない場合については、すでに色々書きました。おそらく読者の多くの方々は急ぐ場合に興味をお持ちでしょう。ここをご覧いただくようなドライバーさんたちの多くは、交通社会やクルマに対する認識の高い方々と思われますので。
 スピードの価値観は個人差があって、評論が難しいですね。80km/hや100km/hという最高速度がどのように決められたのか私は知りません。個人的には非常に理不尽な印象があります。
 今日ほど高速道路網が整備されず、クルマの絶対性能が低い頃に作られた法律に基づくので無理もありません。だからといって速度無制限を提唱するつもりもないのです。
 高速道路で最も簡単に事故を防止する方法は「急がない方が急ぐ方に寛容になること」であると考えます。きわめて身勝手なようですが、熟考すれば理解できる事です。ムカつくとか不公平とか考える方は、交通に限らず全てにおいて同じ思考をお持ちの方でしょう。急がないのですから、急ぐ人に寛容になっても何も損しません。逆の場合には損する事も多々あるのですから。
 つまり問題は急ぎ方の個人差、つまりスピードの価値観と言う事が出来ます。ある方は急ぐ時は120km/h、ある方は150km/hというでしょう。非常識ですが、高性能スポーツカーのオーナーであれば200km/h以上というかもしれません。バラバラな価値観のドライバーが一緒に高速道路を走っているのですから、制限速度は一定の基準として必要だと思います。
 実際に制限速度が100km/hでも100km/h出せない車両が存在し、100km/h以上出せるクルマを運転していても100km/h以上出したくないドライバーもいるのですから、100km/h未満で走ってはいけない車線(速度規制時を除外して)を検討したり、交通量がキャパオーバーの高速道路なら交通量に応じて時間規制したり、3車線以上の道路では追越車線の再検討が必要であったり、様々な対策を検討願いたいものです。簡単ではないですから、とりあえず現状の中で急いでも交通事故に遭いにくい最善な方法を考えてみましょう。



目線と意識に大幅な改革が必要

 これから書く事はドライバー全員に出来ない事かもしれません。ですから、出来ないのであれば高速道路で急ぐ事をやめればいいのです。
 交通事故に遭わない方法の第一歩は、自らを知ること。近頃は安全運転学校でも運転適性試験やシミュレーターを使った運転能力試験が実施されますから、適性や能力に問題のある方が交通事故を避ける方法は出来るだけ運転しない事、運転するなら絶対に急がない事です。初心者マークと老人マーク以外に運転能力表示マークが必要なのは明らかなのですが、社会的差別の観点から実現できません。
 ゴールド免許証にも問題があります。運転免許証を取得しても運転しなければ自動的にゴールド免許になってしまうのですから、免許証書き換え時の安全運転講習免除など本末転倒です。ある方は、簡単に免許証を与えない事とか定期的に運転能力をテストすべきと言いますが、前者は教習所や自動車周辺産業に打撃を与えますし、後者はインフラが整備されていません。現時点の結論はドライバー自身が交通事故を避ける能力を身につけて交通事故回避するより仕方ありません。

 ここからが本題です。一度では書ききれませんから、まずは積極的な方法から。追越車線でスピードを出す場合です。

○左足をブレーキペダルに触れたままにする
○オーバードライブギヤを使わない
○追い抜くクルマの前方車間距離を確認しながら走る
○前走車のいるトラックを追い抜く場合には事前にパッシングで合図をする
○追越車線を走る前走車には車間距離50mまでは一気に追い付く
○前走車がいないのに追越車線を譲らないクルマは迅速に走行車線から追い抜く
○追越車線の前走車は直前車だけでなく、数台先まで見ながら走る
○やむおえず走行車線から複数のクルマを抜く場合には一番左の走行車線から抜く
○連続運転時間が1時間以上なら無理をしない


いかがでしょうか? 一見わがまま、かつ傲慢運転のように思えますね。でもよく考えてみて下さい。先を急ぎたいけども、交通事故に巻き込まれれば目的地に着くことすら出来ないのです。上記の全てに交通事故を避けて通るノウハウが盛り込まれています。
もし理由がわからないとか、違った意見があればメールをいただけると幸いです。私の考えでは、上記の全てを冷静かつ正確にできない方は高速道路で先を急ぐ事はお勧めできません。それは交通事故に遭う可能性を否定できないからに他なりません。もちろん上記を完璧に行なっていたとしても100%でないのは当たり前のことですし、出来る事なら常識的な交通法規と交通マナーを守って走っていただく事が本望です。


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