渋滞させない配慮も安全運転




渋滞は好きですか?

『事例8)料金所でずっと並んでいるのに、お金を払う直前に財布を捜し出す奴』についてです。様々な事例についてはこちらを確認してください。この連載をはじめて読まれる方は全編INDEXにどうぞ。

 事故を避けて通るというよりも、さらにドライバーにとって日常的なネタですね。それでも全く事故と無関係な話ということはなくて、先を急いでいるドライバーにとっての渋滞は死活問題。
 渋滞によってロスした時間を無理な運転で取り戻そうとしたり、時間に追われるイライラでケアレスミスを犯したりすれば、重大な交通事故を引き起こすキッカケになります。こうして考えればドライバー個々が、できるだけ渋滞を引き起こさない配慮をもった運転を心がけることは、交通事故回避に役立ちますね。
 あなたと交差点で出会い頭に衝突してしまうドライバーは、渋滞によって失った時間を取り戻そうと焦った結果、一時停止の標識を見落として交差点に進入してきたのかもしれないのですから。
 高速道路や有料道路に限らず、コンビニやスーパーのレジ、駅の改札口でも並ぶ場所を誤って無駄な待ち時間を過ごしたり、イライラによる精神的苦痛を受けた経験のある方は多いでしょう。クルマの運転に限らず、個々の意識やモラルの問題が大きいですから賛否両論もあり、難しい問題です。それは、待たされるという事にイライラを感じない方もいれば、待たせる事に罪の意識を持たない方もいるという事です。
 クルマの運転という特殊な状況を考えていただけばドライバー全員に理解いただけないと困るのですが。渋滞の原因となるような行動を謹む事はドライバーの義務でもあり、自らを不要なトラブルに巻き込まないための自衛手段とも成り得ることを知っていただきたいものです。
 簡単なことですから、表題の料金所でドライバーの取るべき常識的行動をさっと書いてしまい、余白で別の渋滞原因についても触れることにします。ETCの普及が進んでゆけば問題ではなくなって来ましたが、ETCゲート通過安全速度の意識のが新たな事故を招いています。

(以下は2001年の記述のため、現在はETC普及は社会的に行き届きつつあります)

 ほとんど通行車両のないような高速道路の建設を公共投資として考えるよりも、先にETCの普及のために車載装置を普及価格にして、装着を義務付けにする(クレジットなどの信用問題は最低残高義務付プリペイド方式で解決すればよいのです)方が経済効果が大きいと考えているのは、果たして私だけでしょうか? とにかく料金所での支払段階になってからチケットや財布を探すような事はせず、まず有料道路に進入する前に手元にお金を用意するとか、目的地近くなったらパーキングに寄って準備するとか、それでもウッカリしてしまったというなら、料金所手前で左脇に止まって支払準備をしてから列に並ぶくらいの配慮をしましょう。あまりにも幼稚な話でバカバカしくもなりますが、現実的に分かっていないドライバーが少なからずいるのですから困ったものですね。



ブレーキペダル注意報

 渋滞を引き起こす原因というのは多様すぎて、ここでは書ききれません。主題が料金所渋滞についてですから、高速道路の事例に絞りましょう。それでも絞り込むには事例が多すぎるため、今回はブレーキペダルだけにします。
 ブレーキペダルに足をのせればブレーキが制動して、速度が落ちるだけとか、ペダルに触れるのは瞬時にブレーキを制動させるための準備行動と思っている方がいます。間違っているとは言えませんが、前者であれば稚拙すぎますし、後者ならば左足ブレーキをマスターした方が考え方はマトモでしょう。
 ブレーキペダルに足をのせれば実際には減速しなくともブレーキランプが点灯します。後続車に対する安全意識で意図的に行なうというほど後方確認の出来ている方ならば、何も問題はありません。ところが、意味もなく前走車との車間(ここではアオるという行為は別の問題と考えて除外します)を取らず、アクセルオンとブレーキングを繰り返すドライバーが非常に多いのです。
 直前のクルマが少しでも加速すると、状況判断もなくアクセルオン、そしてすぐにブレーキ。この繰り返しが連鎖的に起こるだけで渋滞が発生する事をご存じでしょうか? 簡単な例で説明しましょう
 10人のヒトが並んでいるとします。誰か掛け声を担当するヒトがいて、10人全員がいっせいに1歩前進すれば、10人が同時に1歩前に進むことが出来ます。ところが掛け声をかけるヒトがいない場合はどうでしょう。単純に考えれば、自分の目前の方が1歩踏み出したのを見てから1歩前に出るでしょう。目前の方の行動を見てから自らが動くまでに要する時間を1秒と過程すれば、1番前の方が1歩動いてから10番目の方が1歩動くまでに9秒かかりますね。
 ではどうすれば無駄な9秒を要さずに済むのか? 自分の目前の方の行動だけではなく、自分の見える範囲全ての方の動きを観察しながら、自分が1歩踏み出すタイミングを考えればよいのです。2〜10番目の方が、全員で1番前の方を注視しながら動けば、9秒という時間のロスが相当小さくなる事が予想できるでしょう。
 クルマの運転も全く同じです。無駄にブレーキを踏む方の多くは、自分の目先だけを見て運転しているのです。目の前のクルマがブレーキを踏めば一緒に踏む、加速すれば一緒に加速する。それでは、目の前の方が間違った判断で運転をしていた場合に巻き込まれてしまいます。これ以上の説明は不要かと思いますが、高速道路における具体例を書いておきましょう。

◯自車の最低でも3台以上前、2台以上後のクルマの状況を把握して運転する

◯前方にブレーキランプの点灯を確認したらアクセルを緩めておく

◯混んだ状況ほど車間距離を適正に取っておく

◯割り込み防止のために車間距離をつめるようなセコい事をしない

◯オートマ車はLか2にホールドし、エンブレをきかせて走る

◯下り勾配でブレーキ踏むくらいなら事前に車間距離を開けておく

◯下り勾配でスピードが出るのが恐いなら事前にオーバードライブを解除する

 思い付くまま書いているので、もっと出てきそうですが、思いついたら後日書き足すことにします。読者の皆さんの思いついた事をメールでお寄せ下さい。


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